多摩川二ヶ領宿河原堰で 小水力発電を実現したい! ―生活者通信2017年12月号記事から

2019年4月10日 21時21分 | カテゴリー: 活動報告

多摩川二カ領宿河原堰。電力消費地での発電事業は災害時にも役に立つ

地域でさまざまな市民運動に参加してきたまつざき淑子。以下執筆記事を転載します。

 ********************多摩川二ヶ領宿河原堰で 小水力発電を実現したい!****

「エネルギーシフトを実現するこまえの会(エネこま)」は3・11以降、市内で省エネと創エネを拡げようと市民が立ち上げ、生活者ネットワークメンバーも参加しています。2015年度に市内小水力調査の助言者を務めていただいた中島大さん(全国小水力推進協議会事務局長)を講師に、10月29日に講演会「多摩川で発電できるかな? エネルギーシフトは身近な地域で」を開催しました。

宿河原堰は狛江市と川崎市にまたがり、およそ3mの落差があります。堰の上流側から取水し、河川敷の地中に埋設した水圧管路を通して発電することが考えられ、導水路の延長は百数十m程度。使用水量を20㎥/s程度とし、出力400Kw、70%稼働として約800軒分の発電量となります。工事費は約8億円(災害対策費は含まず)を超えることが予想されます。また、国が建設し管理している堰を利用することや、一級河川本流の河川管理に影響する地点であることから、災害を引き起こさないこと、既存の環境・景観に悪影響を及ぼさないことなど、土木水利面でしっかりした計画が必要となり、手続きにも相当の準備と労力が必要になるようです。さらに河川敷に土地利用上電気設備は作れないので堤防の外に土地が必要となり、市が関与する形で公共的団体が運営することが必要です。とはいえ、地域で取り組む小水力発電に対して国も前向きになっているので実現可能性は充分にあるだろうと、中島さんからエールをいただきました。

電力消費地での小水力発電の可能性にワクワク!といった参加者からの声もあり、東京都、国を巻き込んで、再生可能エネルギーの可能性を本格的に追求したいとメンバー一同意気軒昂です。

今後は多摩川沿いの住民を対象にアンケートを実施し、実現可能性を探る予定です。(まつざき淑子)

2017年10月、ネットメンバーとともに京都嵐山を見学。渡月橋にともされた灯りは一級河川桂川の小水力発電によるもの。国内初の一級河川を利用した小水力発電所で最大出力5.5KW(平常時4.3KW)。照明用1KW,残りは売電

 

 

 

 

 

 

 

 

[アンケート調査結果]

全国小水力利用推進協議会事務局長 中島大さんを講師とした学習会をもとに作成した多摩川での小水力発電事業の可能性についてのアンケートは、二ヶ領堰近くの猪方、駒井町の住宅地には全戸配布、市内公共施設にも置き、3000部を配布、回収は386枚(回収率12.9%)でした。(2018.1.9~2.15)

 アンケート結果から96%の方が「自然エネルギーを増やすに関心」があり、「多摩川二ヶ領堰の環境を壊すことなく小水力発電ができるなら発電事業をすすめたいか」の設問にも「わくわくする。すすめたい」「可能なら、やりたい」の回答は合計362通、92.4%でした。

 小水力発電事業への疑問は①環境(自然および社会環境)・生態系破壊の恐れ ②建設、維持、管理コスト ③防災・安全性などです。

 今回のアンケートはあくまで市民団体による意識調査ですが、多摩川は自然エネルギー資源として検討に値すると言ってよいのではないでしょうか。今後、多摩川の小水力発電に関して技術的・制度的な課題解決に向けての専門家との学習、国交省や関係自治体へのアプローチも必要となります。

 「多摩川は狛江の宝。使わなきゃもったいない!」とのご意見も寄せられました。地球温暖化対策と安全なエネルギーの確保は、私たちの未来にとって欠かせない課題です。市民、行政、専門家の知恵を結集して、多摩川での小水力発電の可能性をさらに探りたいと思います。

アンケートの詳細については市民活動支援センターこまえくぼ1234ホームページをご覧ください。